黄疸
2017.12.04
本日は肝臓病による黄疸を呈している症例が入院・治療していますので黄疸についてです。 黄疸とは、血液中のビリルビン(胆汁色素)という黄色い色素が何らかの原因で血液中に異常に増加し、その結果、皮膚や粘膜、その他の組織にビリルビンが沈着した状態を意味します。
左が黄疸の子の血漿 右は正常犬の血漿です
(血漿とは血液を遠心分離して固形物を除去した水分の部分)
白目が黄色くなる場合も…
黄疸の原因として…
①肝炎や肝硬変・肝臓癌などの重度の肝臓の病気がある場合
②胆汁の排泄経路である胆管系に異常がある場合(胆管肝炎・胆嚢炎)
③血液の中に含まれる赤血球が破壊される(溶血)場合
④腫瘍や炎症・物理的要因による胆汁色素の通り道(総胆管)が圧迫され閉塞を起こす場合
(胆嚢粘液嚢腫や胆石・膵炎)
⑤レプトスピラなどの一部の寄生虫感染
などなど
時には緊急的な外科手術が必要な場合もあり、精密検査により早めに診断・治療を開始しないと致死的になる場合も多くあります。
症状としては原因にもよりますが、尿色が濃い・白目や耳が黄色い・嘔吐・下痢・血便・腹痛・発熱・食欲不振・元気消失などがあります。
一致する症状がみられたら早急にご来院ください。