鼻腔内腫瘤?
2020.09.09
今回の症例は、鼻水やくしゃみなどの症状があり、血液検査でも炎症のマーカーが高値の症例です。
歯石は重度に付着しており、歯周病もあり、歯から鼻腔内に通じて鼻炎症状の可能性、もしくは鼻腔内に腫瘍を含め何かの異常があり、
症状がでている可能性が考えられました。
飼い主様とご相談の上、抗生剤で治療を行い、経過をみていましたが、多少の症状の改善は認められましたが、
炎症マーカーの高値、鼻炎症状が続いているため、精査及び治療を行う事になりました。
全身麻酔下でCT検査を実施すると、犬歯を含め多数の歯根部での骨融解を認め、犬歯の歯根は鼻腔内との連続性を確認しました。
同時に鼻腔内にCT検査で占拠性病変を確認。歯周病からの病変の可能性もありますが、鼻腔内腫瘤の可能性も考えられるため、
硬性鏡を鼻腔内に挿入し、占拠性病変に対し、生検を実施致しました。
骨融解が認められる歯は、全抜歯を行い、病理検査の結果は炎症。
その後、抗生剤を使用して炎症マーカーは正常値。鼻炎症状も消失しました。
獣医師 田中