ならしの動物医療センター

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report 症例報告

肺腫瘍?

2017.12.20


本日は元気食欲が低下し、呼吸も苦しそうにしているネコちゃんの病気を紹介します。

上記を主訴に来られたので、血液検査、X線検査、超音波検査を実施したところ、
X線上で肺がある領域がかなり白くなっていたました。

また、胸部超音波検査から心臓にも疾病があることが判明しましたので、
可能性としては肺水腫、肺炎、肺腫瘍を疑い治療を開始しました。

初日のX線:全体的だけでなくところどころ肺野がより白くなっている部位がある。

肺4

肺水腫に対してはα型ヒト心房性ナトリウム利尿ポリペプチドやその他の利尿剤も使用して治療し、
肺炎に対しては抗生剤を中心にして治療を行いました。

一週間後のX線:全体的には良化しているが部分的な肺野の白さは改善せず

肺

一週間治療しても肺野の白さが改善しないことからは肺腫瘍の可能性も疑い、CT検査を実施しました。


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CT検査から肺野にいくつか腫瘍を疑わしい所見が認められたのでの、
現在は画像専門医にCTの読影を依頼しているところです。

肺腫瘍は原発だけでなく、他の部位からの転移での発生の方が多いことから
CT検査での全身のcheckも行っています。

肺水腫や肺炎の治療をしてもなかなか良化しない患者さんに対しては
次の検査としてCT検査をすることをお勧めします。