ならしの動物医療センター

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report 症例報告

子宮蓄膿症

2020.11.30

今回の症例は15歳4か月のヨークシャーテリアです

陰部からの出血が続いているという事でご来院されました。

エコーで確認したところ子宮の腫大および子宮内に液体貯留が確認され、血液検査で炎症マーカーの上昇を認めました。

このような場合、子宮蓄膿症という病気が疑われるため、手術で子宮の摘出を行いました。

子宮蓄膿症は、子宮内膜の嚢胞性の増殖と細菌感染による炎症が生じ、子宮腔内に膿性液が貯留する疾患です。

症状は、多尿や元気消失、嘔吐もしくは食欲不振、外陰部からの滲出物などが挙げられます。

治療は、基本的には外科手術で卵巣子宮摘出を行います。

腫れた子宮を摘出しました

 

 

 

 

 

 

外科手術後の予後は一般に良好ですが、炎症が全身に及んでしまっている場合は死亡率は上昇してしまいます。

また、より重度な状態で子宮が破裂してしまった場合は著しく死亡率が上昇してしまいます。

 

今回の症例は、子宮の破裂はなかったため現在術後の経過は良好です。

また、摘出した子宮体部にしこりが認められたため、病理検査センターに送付して検査の結果を待っています。

 

獣医師 後藤