ならしの動物医療センター

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report 症例報告

尿管結石

2021.02.26

今回の症例は11歳9か月のチワワです。

数日前から食欲がなく、ぐったりしているとご来院されました。

血液検査では腎臓の数値のほか、白血球や炎症マーカーが上昇していました。

腹部エコー検査を行ったところ、左尿管に尿管結石があり、左の腎盂が拡張していることがわかりました。

尿管に結石が詰まっているのがわかります

 

 

 

 

 

 

尿管結石では尿管に結石が詰まることによって尿が排出できなくなることで、腎臓に負担がかかり、急激に腎機能が低下することで尿毒症症状とよばれる様々な症状を引き起こします。この症例はさらに膀胱炎も併発し、膀胱内の細菌が尿管を逆流、腎盂腎炎も併発していました。

今回の症例では手術によって尿管に詰まった結石を摘出し、尿管内の液体を培養検査に提出しました。

尿管は非常に細いためルーペをつけて術野を拡大しながら手術を行います

 

 

 

 

 

 

 

尿管に詰まっていた結石

 

 

 

 

 

 

術後、腎盂の拡張は改善し、培養検査の結果をみて、抗菌剤を選択し継続的に投与したところ、血液検査でも上昇していた腎臓の数値や白血球、炎症マーカーも下がりました。元気や食欲もすっかりもとに戻りました。

 

獣医師 後藤