ならしの動物医療センター

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report 症例報告

肛門周囲腺腫

2021.03.06

今回の症例は12歳10か月のシーズーです。

トリミング時の身体チェックで見つかった肛門付近のできものが、徐々に大きくなってきたため、細胞診検査を行ったところ肛門周囲腺腫と診断されました。

肛門周囲腺腫は去勢していない雄イヌで発生することが多い良性の腫瘍です。

サイズが小さい場合は症状がないことも多いですが、大きくなってくると出血したり破れたりすることで排便時の疼痛を呈する事があります。

また、大きくなった腫瘍が肛門を圧迫すると排便が困難になることもあります。

この腫瘍の発生は性ホルモンに関連しているため去勢手術をおこなうことでこの腫瘍の発生を防ぐことができます。また、すでに発生している腫瘍でも去勢手術をすることで小さくなることがあります。

この症例は発症時去勢手術を行っていなかったため、腫瘍が小さくなることを期待して去勢手術を実施しましたが、腫瘍のサイズに大きな変化は認められませんでした。

そのため、手術によって腫瘍の摘出を行いました。

肛門の周囲に大きな腫瘍があります

 

 

 

 

 

 

徐々に切り取っていきます

 

 

 

 

 

 

腫瘍を摘出することができました

 

 

 

 

 

 

縫合後の様子

 

 

 

 

 

摘出した腫瘍を検査センターに送付し、検査をしてもらったところ腫瘍が取り切れていることがわかりました。

術後の経過も良好です。

 

獣医師 後藤