ならしの動物医療センター

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report 症例報告

犬の急性膵炎

2023.01.27

犬の急性膵炎とは、様々な要因によって膵臓内の消化酵素が活性化し、
膵臓自身を自己消化・強い炎症反応を起こす病態です。

またそれに伴い体内でフリーラジカルが産生され、血管透過性の亢進、浮腫、
虚血などが引き起こされ全身に炎症反応が広がっていきます。

この炎症部位が膵臓局所の軽度であれば重症化せずに治まることが多いですが、
膵臓局所にとどまらず広範囲に広がった場合は重篤な症状を示す全身性疾患に発展します。

膵炎の原因因子は特定できないことが多いですが、高脂肪の食事、副腎皮質機能亢進症や糖尿病、
甲状腺機能低下症などの内分泌疾患などが膵炎のリスク因子と考えられ、
他にもミニチュアシュナウザーやヨークシャテリアなどのテリア犬種で起こりやすいとされています。


症状としては食欲不振や嘔吐、腹部の疼痛などがみられます。
急性膵炎では早期の治療で重症化を抑えられる可能性があるので、
少しでもおかしな症状が見られたら検査しにご来院ください。

獣医師 古田