ならしの動物医療センター

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report 症例報告

唾液腺嚢腫 

2021.03.26

今回の症例は9歳5ヶ月のフレンチブルドックです。

以前から下顎のあたりにふくらみが認められ、針を刺して吸引すると唾液が吸引できました。何度か吸引を実施しましたが再発を繰り返したため、唾液腺と嚢腫の摘出を行いました。

唾液腺嚢腫では、原因となる唾液腺によって症状は様々で、重度の症例では呼吸障害や嚥下障害などを発現する事もあります。

今回の症例は、下顎の腫れはありましたが重度の症状は認められませんでした。

仰向けで見ると顎のあたりが大きく膨らんでいるのがわかります

 

 

 

 

 

 

摘出は唾液腺とその導管および唾液腺嚢腫を全てまとめて摘出します。

指でつかんでいる部分が唾液腺、手のひらに収まっているのが嚢腫です

摘出した唾液腺と嚢腫です

 

 

 

 

 

 

 

摘出後は嚢腫のあった部分は空洞になり漿液が溜まることが多いため、漿液を排出するドレーンという管を設置しました。

現在、傷口は問題なく、ドレーンで漿液の排出をしながら経過観察をしています。

 

獣医師 後藤