ならしの動物医療センター

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report 症例報告

消化管内出血

2021.03.29

本日の症例は、急に食欲、元気がなくなり、ほとんど自力で立てないほど、ぐったりした症例です

もともと、糖尿病の治療を行っていたため、低血糖など血糖値のコントロール不良からの症状も疑いましたが、検査では異常なし。

身体検査では、可視粘膜(白目の部分や歯茎の粘膜)が白くなっていたため、貧血を疑い、精査を行いました。

検査で、重度の貧血を認め、他の血液検査から消化管出血を疑うような検査結果でした。

レントゲン検査では、胸部も異常所見はなく、腹部は超音波検査も実施、腹腔内出血や腫瘍などは所見はありませんでした。

尿検査でも、出血を疑う所見はなく、かきだし採取した便も問題ありませんでした。

時間と共に状態は悪化し、貧血も進行しましたが、異物を誤食したりしていたのもあり、経過および血液検査から消化管出血を疑い検査をすることになり、そのまま入院しました。

入院し、輸血を行い、状態を改善させたのち、麻酔下で全身精査を行う予定で入院したその日の夜に、メレナを認めました。

 

 

 

 

 

茶色い便に混じって、タール状の黒色便を混じっており、下のシーツは赤くなっており、小腸からの出血を疑いました。

現在、状態は改善し、湿布の誤食から消化管出血をしたと思われます。

獣医師 田中