ならしの動物医療センター

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report 症例報告

横隔膜ヘルニア 

2021.05.28

今回の症例は横隔膜ヘルニアの10カ月のネコです

横隔膜ヘルニアは胸とお腹を隔てている膜が裂けて腹腔内の臓器が胸腔内に入り込んでしまう病気です。

主に交通事故や転落事故などによる衝撃で横隔膜が裂けることが原因です。

症状は程度によって様々でほとんど症状がない場合もあれば、呼吸が浅く苦しそうだったり元気がない、食欲不振や嘔吐、腹痛などの症状が出ることもあります。

この症例は、保護猫で食欲不振、排便がない、嘔吐といった症状があり、他院にてレントゲン検査を行ったところ横隔膜ヘルニアと診断されました。

おそらく保護される前に何らかの事故等で横隔膜が裂けてしまったものと思われます。

手術のリスク等も考慮し、内科療法にて経過観察を行っていましたが、徐々に体調が悪化してしまったとのことで今回当院にご来院されたため

横隔膜ヘルニアの整復手術を行いました。

横隔膜ヘルニアの手術は、胸腔内に脱出した臓器を腹腔内に戻し裂けた横隔膜を修復します。

横隔膜の左側に穴が空いているのが分かります

穴を縫合します

 

 

 

 

 

 

術後の経過は良好で術後1週間ほどで退院する事が出来ました

 

獣医師 後藤