ならしの動物医療センター

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report 症例報告

誤食 

2021.06.04

今回の症例は6ヶ月のトイプードルです。

飼い主さんの外出中にお子さんの外用薬をほぼ1本食べてしまったとのことでご来院しました。

薬はきちんと机の上で管理していましたが、外出の際に椅子を出したままにしてしまったことで、椅子にのぼって外用薬を食べてしまったそうです

上が同じ軟膏、下が食べてしまった後残った軟膏です

 

 

 

 

 

 

レントゲン検査を行ったところ、胃の中に外用薬のチューブと思われる細かい破片が多数認められました。

すぐに催吐処置を行ったところ小さくなった軟膏チューブの破片が出てきました。

この日の血液検査で異常はありませんでしたが、今回誤食したものはステロイド剤の外用薬で実際体内にどの程度吸収されたかは不明です。

場合によっては胃潰瘍や穿孔を引き起こす可能性もあります。

胃の保護をする薬を処方して、念のため1週間後に再度血液を実施しました。

幸いにも、1週間後の血液検査でも異常はなく体調に大きな変化もありませんでした。

 

今回の症例は大事には至りませんでしたが、外用、内服に関わらず薬の誤食は、場合によっては命に関わる重篤な症状を引き起こします。

以前に神経系に作用するヒト用の点眼薬を齧って中身を接種し、強い鎮静状態になった症例もおります。

 

皆さんも薬の管理は厳重に行い、間違って口に入れることのないように注意してあげてください。

 

獣医師 後藤