乳腺癌の転移
2021.05.26
本日の症例は、乳腺癌の転移をした症例です。
数年以上前に乳腺癌を発症し、その時点で転移を疑う所見は認められませんでしたが、
今年に入り、陰部周辺の皮下に腫瘤を認め、FNA検査を実施したところ、他の検査の結果や現在までの病歴も含め、
乳腺癌の転移と診断された症例です。
飼い主様とご相談の上、抗癌剤や今後腫瘍が増大した際のQOLの低下を抑えるための外科手術などご提案させて頂きましたが、
高齢という点や、症状が目立って出ていなかった為、経過観察になりました。
最初は、気になる症状はありませんでしたが、徐々に増大し、排尿障害などの合併症も出始め、腫瘤部位にも熱感を感じるようになりました。
その後の経過などから、適宜ご相談の上、現在はステロイドの内服や抗癌剤での治療を行っております。
抗癌剤の治療を開始してからは現在のところ、明らかな腫大や進行は認められておりません。
獣医師 田中