子宮蓄膿症
2023.04.30
本日の症例は子宮蓄膿症の症例です。 中高齢の未避妊の雌犬は要注意な疾患です。 発情出血(生理出血)後に子宮内に細菌感染がおこることで発症する病気で、気づかぬうちに進行すると 致命的となる病気です。子宮内膜症や子宮粘液症に細菌感染が伴って発生すると考えられています。 症状は食欲不振、発熱、多飲多尿、嘔吐・下痢、腹部膨満、外陰部の腫大、膣からの分泌物の排出が比較的多く認められます。 子宮頸管が閉鎖していて膣から分泌物が流れ出ないようなこともあり、その場合、発見が遅れることでより重症となっていることがあります。 治療は卵巣及び蓄膿子宮の摘出と抗生剤の投与、合併症への対応が基本となります。 また、手術の際に同時に乳腺腫瘍が認められることも多い為、再度の手術が必要となることもあります。 若齢時に避妊手術が済んでいれば発症することはありません。 新しくわんちゃんを迎え入れた際、繁殖を予定していない場合は、将来的な子宮蓄膿症や乳腺腫瘍の発症予防として避妊手術を是非お勧めします。 獣医師 古田