ならしの動物医療センター

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report 症例報告

レッグペルテス病

2021.10.14

今回はレッグペルテス病の症例です 。

この疾患は股関節の骨(大腿骨頭)に十分な血流が流れず、壊死してしまう病気です。

壊死による大腿骨頭が破壊され、病的骨折が生じたり、股関節の不安定が生じて痛みを伴うようになります。主に1歳以下の若齢動物、特にトイプードルなどの小型犬に多く見られます。

遺伝的な要因も疑われていますが、現在は明確な原因は不明であり、何らかの原因により大腿骨頭に分布する血管が障害され血液供給が不足・停止する事が原因と言われております。

症状は主に痛みで、足を引きずったり、挙上(浮かせる)したりし長期化すると太ももの筋肉量の減少が認められ、足が細くなったりします。

発症した時点では内科的には痛み止めなどによる治療を行いますが、基本的には進行性であり、最終的には外科的に壊死した大腿骨頭を切除します。

少し時間がかかることもありますが、普通に歩行が出来るようになることがほとんどです。

左:大腿骨のX線の異常と合わせて犬種、年齢から本疾患を疑います。

右:骨頭切除術の術中写真です。

 

獣医師 古田