ならしの動物医療センター

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report 症例報告

麦粒腫(ものもらい)

2017.12.21

ワンちゃんは眼瞼の縁に沿って並んでいるマイボーム腺というものがあり、
涙液の油分を分泌し涙液の蒸発を防ぐ役割をしています。


そこに炎症を起こしたマイボーム腺炎は、細菌感染やマイボーム腺の閉塞により
分泌物が貯留し炎症をおこした状態をいいます。

アレルギー体質のワンちゃんに発症しやすい傾向があります。


マイボーム腺にできる炎症には、「麦粒腫と「霰粒腫」があります。
「麦粒腫」はマイボーム腺に細菌が感染して急性炎症を起こしたもので、いわゆる「ものもらい」です。
「霰粒腫」はマイボーム腺が詰まって慢性的な炎症を起こしたものです。
切開し貯留物を出すこともあります。


なお、高齢犬ではマイボーム腺が腫瘍化し、マイボーム腺腫になることがあります。
特に眼瞼の内側にできた腺腫は角膜を刺激するため、ゴロゴロとした不快感を伴い角膜炎の原因になります。


「麦粒腫」はマイボーム腺に細菌感染が起こることで生じます。
感染の程度により、眼瞼周全体が腫れる場合と局所的にイボのように腫れる場合があります。


麦粒腫は感染症ですので、基本的には抗生剤の内服や点眼による細菌への対処と
炎症を抑える治療がメインになります。



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