ならしの動物医療センター

ならしの動物医療センター

report 症例報告

甲状腺機能低下症

2017.12.21

犬の甲状腺機能低下症は、喉の気管の横に1対にある甲状腺から
甲状腺ホルモンの分泌機能が低下する病気です。


甲状腺ホルモンは、全身の細胞に作用して基礎代謝を上げる働きを持つホルモンで、
弱くなりすぎると甲状腺機能低下症として以下のような症状が認められることがあります。

  • 左右対称性脱毛
  • 動作緩慢・食欲減退・体重増加(ナマケモノのような生活になる)
  • 体温が低下し寒さに弱くなる
  • 全身がぶよぶよむくんだようになる
  • 顔つきがしょんぼりしたように見える
  • 心拍数と血圧の低下
  • 皮膚病にかかりやすい・治りにくい
  • 貧血や高脂血症などの血液の代謝異常
  • ふるえや顔面神経麻痺などの神経異常
などの様々な症状がありますが、これといって決定的・特徴的な症状がないのが特徴です。

治療は体に不足している甲状腺ホルモンを補充する治療がメインとなり、
適切な投与量を維持できれば寿命をちゃんと全うすることが出来る病気です。


診断は症状と併せて甲状腺ホルモン濃度を測定することで診断が可能です。