ならしの動物医療センター

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report 症例報告

猫の耳血腫

2023.11.24

本日は、猫の耳血腫について報告致します。
耳血腫というのは、名前の通り耳介内部に血腫(血液だまり)ができる病態です。
イヌの場合、大抵外耳炎を起こす事により耳を掻き物理的に耳介軟骨部の血管より出血する事により
耳血腫を起こします。

この症例は猫なのですが猫の場合、上記の外耳炎に伴う外傷による内出血のほかに、
特発的におこしたり免疫が関係する原因で起こす事もあります。


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内容物を吸引するとこのような、赤色の血液様の液体が出てきました。
治療は定期的な吸引処置、抗生剤の内服や局所注入による消炎剤の投与、外耳炎の治療を中心とします。
コントロールが難しい場合は、液体がたまらないように耳介を縫合したり、小さい穴もしくは切開により常に排液が
出来るように外科的な手段をとることもあります。
完治するまでには1-2ヵ月かかることがあり、治癒後も耳の変形が残ることが多い疾患です。

獣医師 古田