移行上皮癌
2022.08.17
今日の症例は排尿困難を伴う13歳のダックスです。
エコー検査を行ったところ排尿直後にもかかわらず、尿貯留があり膀胱三角部に腫瘤が確認されました。そのため、カテーテル検査により得られたサンプルを細胞診検査、病理検査、BRAF遺伝子変異検査、HER2遺伝子コピー数異常検査を行いました。HER2遺伝子コピー数異常検査陽性となると、ある種の分子標的薬が効く可能性が高いということが最近発表されました。細胞診検査・病理検査により移行上皮癌、BRAF遺伝子変異検査で陰性、HER2遺伝子コピー数異常検査で陽性という結果になり、総合的に移行上皮癌と診断されました。
移行上皮癌とは、犬において最も多い悪性の膀胱腫瘍で中齢から高齢のメスでの発生が多いといわれています。症状としては、血尿、頻尿、排尿困難などがあります。
今後の治療方針についてはまだ確定しておりませんので、確定しましたら報告いたします。
尾崎