ならしの動物医療センター

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report 症例報告

単角子宮

2017.12.22

本日の症例は卵巣子宮切除術、いわゆる避妊手術を行った生後7カ月のネコちゃんです。

子宮はYの字になっていて、二股のてっぺんのところに
それぞれ卵巣という卵子を作っている臓器があります。


麻酔をかけてお腹を開けて子宮を探すと右側の子宮は難なく見つかりましたが、
左側の子宮がなかなかみつかりません。


左側の卵巣と思われる場所を探すと、それらしきものがみつかりました。

IMG_1247


右側の子宮と卵巣


  IMG_1250


左側の卵巣と思われるもの。
写真を見てわかる通り、左の卵巣には右側の子宮のような太い管はくっついていません。


これは0.1%の確率で発現すると言われている単角子宮であると考えられます。

単角子宮は先天性のもので、生まれつき片側の子宮がうまく作られない病気です。
このような先天性の病気をもつネコちゃんは他にもうまく作られない臓器がある可能性が
高いためレントゲン検査と超音波検査を行いました。


結果は腎臓も左側がありませんでした。

今のところ腎臓の機能に異常は認められませんが、腎臓に負担がかかっている状態であることは間違いないので定期的な検査を行っていこうと思います。