肺の腫瘍
2022.10.05
今回の症例は12歳のmix犬です。
食欲元気がない、咳も時々するということでご来院され、x線検査を行ったところ、右肺後葉に腫瘤が見つかり、後日CTとFNAを行いました。
FNAの結果、慢性活動性肺炎を伴う肺腺癌と診断されました。原発性肺腫瘍である肺腺癌は動物では人ほど多くはないですが、犬は他の動物種より多く発生します。主な症状としては咳や呼吸困難が見られます。治療としては、可能であれば部分的あるいは完全肺葉切除が最良の選択となっています。腫瘤は後大静脈を圧迫していて後大静脈圧迫によるQOL低下が心配されることもあり摘出手術を行いました。
現在分子標的薬による治療を行っており、経過は良好です。
尾崎