ならしの動物医療センター

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report 症例報告

尿管閉塞

2022.12.25

今回の症例は11歳の猫ちゃんです。

急性に嘔吐や食欲不振の症状が出たため来院されました。

身体検査で明らかな脱水を認め、血液検査やレントゲン検査、腹部超音波検査、尿検査を実施しました。

血液検査で腎数値の明らかな上昇を認め、腎不全を起こしていました。

尿検査からは腎臓が悪いため低比重尿という薄い尿をしており、潜血反応を認めそのほかに特異的異常所見は認めませんでした。

胸腹部レントゲン検査や腹部超音波検査で、腎盂の拡張と尿管の拡張を認め尿管閉塞を疑う所見が見つかりました。

尿管閉塞の原因としては、炎症による腫れや腫瘍、結石などによる物理的閉塞などが考えられますが、今回は検査の結果から尿管結石による物理的閉塞により急性腎不全をおこしたものと考えられます。

まず、静脈点滴の治療を開始し、内科治療を開始しても大きな変化が認められなければ外科手術により結石除去の手術を行います。

獣医師 田中