リンパ腫
2017.12.22
本日の症例はリンパ節が腫れていたワンちゃんです。 腫れていたリンパ節に対してFNA(針吸引細胞診)を行いました。 リンパ系の細胞が多く採取されており、 成熟リンパ球よりも大型のリンパ球が多数見られるなどの所見から、リンパ腫が疑われました。 画像右上には異常な核分裂を伴う腫瘍細胞も認められます。 血液の中には、さまざまな細胞が含まれており、 そのひとつであるリンパ球が腫瘍化したものをリンパ腫と言い、血液の悪性腫瘍の一つです。 リンパ腫は腫瘍が発生する場所により、 ①多中心型(体の表面のリンパ節に発生) ②前縦隔型(胸の中に発生) ③消化器型(腸に発生) ④皮膚型 などに分けられます。 さらに病型分類により低悪性度、高悪性度に分けられます。 犬は多中心型が多く、ネコは前縦隔型や消化器型が多くみられます。 これらは腫瘍化したリンパ球の型などによりさらに分類され、この分類に基づき治療法が決定されます。 進行すると、全身に腫瘍化したリンパ球が広がってしまします。 治療は完治を目指すものではなく、生活の質の改善や延命を期待したものになります。 基本的に、抗がん剤により治療を行います。 多剤併用化学療法と呼ばれる、数種類の抗がん剤を組み合わせた治療が一般的です。