ならしの動物医療センター

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report 症例報告

子宮蓄膿症

2017.12.22

本日の症例は、元気食欲がなくなった猫ちゃんです。

前日から元気食欲がなく、人気のないところにじっとしているということで来院されました。

血液検査では異常が見られませんでしたが、超音波検査では子宮の拡張と液体貯留の像が見られたため、
子宮蓄膿症と診断し、手術を行いました。


子宮蓄膿症は、犬では一般的に不妊手術を行っていない成犬~高齢犬みられます。
猫では犬ほどは頻繁にみられない病気ですが、若齢での発症も見られます。


子宮蓄膿症は、子宮内部に細菌が増殖し、血液や膿が溜まる病気です。
女性ホルモン(特に黄体ホルモン)が関係していると考えられています。

黄体期(発情期の数週間後)には子宮の内膜が増殖し、子宮内部が細菌に感染しやすい状態になります。

この時に感染が起きると子宮蓄膿症を発症します。

症状は、元気食欲の低下、発熱、嘔吐、多飲多尿などが見られます。
下腹部が膨満して触ると痛がる場合もあります。
放っておくと、最近の毒素により多臓器不全や敗血症をおこして、最悪の場合死に至ります。


治療は外科的に子宮卵巣摘出術を行います。

以下は手術の写真です。


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子宮が内容物で充満しています。


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子宮と卵巣を摘出している所です。

子犬・子猫の内に避妊手術を行うことで予防ができるので、
繁殖する予定の無い場合は避妊手術を早く行ってあげることをお勧めいたします。