副腎腫瘍
2024.08.15
他院にて貧血を認め、ご紹介され来院された症例です。
急性に貧血を認め、食欲元気の減退の症状があり、初診で来院された際は若干の貧血の改善を認めておりました。
全身精査を実施すると、左副腎が腫大もしくは血腫のような所見を認め、それ以外に貧血につながるような特異的所見は認めませんでした。
ACTH刺激試験や尿中メタネフリン検査、全身麻酔下でCT検査などの精査を実施。
検査結果よりやはり副腎腫瘤を疑い、褐色細胞腫などの可能性は低く、徐々に腫瘤性病変は縮小していきました。
貧血も改善。副腎腫瘤もかなり縮小し、経過から腫瘤内部での出血からの貧血。現在は出血がとまり貧血も改善し、本来の副腎腫瘤の大きさに縮小していきました。
飼主様とご相談の上、高齢ではありますが今後の出血のリスクなど踏まえ、左副腎腫瘤の切除手術を希望されたため、後日摘出手術を実施しました。
周囲との癒着が認められ、こちらが摘出した左副腎です。
病理検査の結果、良性の副腎腺腫でした。
獣医師 田中