ならしの動物医療センター

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report 症例報告

胃内異物(胃切開)

2025.01.23

本日の症例は、急に頻回の嘔吐を認め、グッタリしているとの事で来院されたワンちゃんです。

御家族の方は嘔吐症状が出る原因に思い当たることはないとの事。しかし、症状も比較的重度で脱水もしていたので、全身精査を実施しました。

血液検査では、炎症の数値が悪く、レントゲン検査や腹部超音波検査での画像診断で胃内に固形物があることがわかりました。

食欲も廃絶でまるまる1日食べていない状態で頻回の嘔吐で吐物には固形物は全くでない状態で、画像検査で胃内に何かがうつり、対症療法で脱水が改善し多少状態は戻りましたが、嘔吐は続いたため、胃内異物を疑いご家族の方と相談の上、全身麻酔をかけて検査処置を行うことになりました。

まず内視鏡検査で胃内を確認。異物を含め嘔吐の原因になるような異常がないかどうか確認したところ、胃の中に何か布のようなものと毛のようなものが塊で確認され、胃の出口からつながっておりました。

内視鏡下で鉗子を使いひっぱりだそうとしましたが、摘出不可。

そのままの流れで開腹手術に切り替え、胃切開術を行いました。

←胃に支持糸をかけ、これから胃を切開します。

胃内の異物があり、十二指腸にこの異物が入り込んでいて蓋のようにはいりこんでおりました。

このまま異物を摘出し、閉腹しました。

術後の経過は良好で、体調問題なく退院されました。誤飲には気をつけましょう。

獣医師 田中