ならしの動物医療センター

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report 症例報告

てんかん

2017.12.21

「てんかん」とは、脳内の神経回路が異常な興奮しショートを起こす事で
体のコントロールを失ってしまう状態のことです。


脳の中では、規則正しいリズムの電気が微量に流れています。
正常な神経細胞は抑制と興奮を上手くバランスを取りつつ電気信号を送っています。


しかし、体調や環境の変化などによって電気信号の興奮が
抑制する力を大きく超えてショートすることがあります。
この時に「てんかん発作」が起きるわけです。


てんかんという病気の定義の重要なことは「発作」が繰り返し起きるということです。
従って1回だけの発作でてんかんを疑うことはできますが、てんかんの診断はできません。


繰り返し起こる発作の間隔は個体によって違いがあり、
毎日起こす子もいれば、1年に1度という場合もあります。

発作は自然に治まりますが、慢性の脳の病気ということから
この発作の頻度は進行していく可能性があります。


そして、発作が止まらなくなるような状態=てんかん重積状態になった場合には、脳圧が亢進し、
脳へ重大なダメージを生じることがあるため、早急な処置を行う必要があります。


また発作の出方(部分的なのか全身のけいれんで出てしまうのか)や頻度、発作の強さや時間により、
抗てんかん薬の使用を検討します。


またてんかんと同じけいれん発作や部分発作を起こす病気で、
脳炎や脳腫瘍、感染症や肉芽腫なども可能性があるため、
可能であればMRIを取る事によりその他疾患を除外し、てんかんを診断します。