ならしの動物医療センター

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report 症例報告

アジソン病(副腎皮質機能低下症)

2017.12.14

1ヶ月食欲不振、元気なし、下痢、嘔吐のワンちゃんが来院。
経過が長いので血液、レントゲン、超音波検査で一通りのチェックをします。
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血液検査で沢山の項目に異常値が出ていますが、
なかでも低血糖、高BUN、低ナトリウム、高カリウムに注目し、
アジソン病(副腎皮質機能低下症)を疑います。

腹部超音波検査で左右副腎の委縮が認められます。

胸部レントゲンで心臓が小さく認められます。

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確定診断をするためにACTH刺激試験を行います。
結果はコルチゾールの値が0.2μg/dl(3μg/dl未満でアジソン病と確定)で、
アジソン病と診断しました。

副腎は左右腎臓の脇にあります。

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アジソン病は主に自己免疫性に副腎が破壊され副腎皮質ホルモン
(ミネナルコルチコイドとグルココルチコイド)が欠乏する病気です。
ミネナルコルチコイドは体液のナトリウムやカリウムの調節をしたりグルココルチコイドは
糖分の調節、抗炎症作用、ストレスへの反応などの役割があります。

副腎皮質ホルモンの欠乏により脱水、循環不全、低血圧、腎不全、食欲不振、低血糖、
震え、痙攣が起こります。急性症状をアジソンクリーゼと呼び、急激に症状が悪化するため、
適切な治療を行わないと生命に関わります。

治療は生理食塩水の点滴と副腎皮質の注射で入院治療を行います。