ならしの動物医療センター

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report 症例報告

カラーダイリューションアロペシア(淡色被毛脱毛症)

2017.12.22

本日の症例は、頭からおしりまでのほとんどの皮膚をかゆがって、
左右対称に脱毛もみられるわんちゃんです。

 
 かゆみと脱毛ということで皮膚検査を行いましたが、細菌やカビは認められませんでした。

 毛を抜いて毛の状態を確認すると、普通なら直線の毛に一部膨らみがみられました。
 
 H8190044

 
これはカラーダイリューションアロペシアという病気の特徴で、淡青、
淡黄褐色の毛をもつ犬に多く見られると言われています。

遺伝子に関連して毛の中でメラニン色素が生成、移動する過程に異常がおこり、
多数のメラニンが詰まり、塊を作ることでこの部分が切れやすくなります。


そして毛包の中で毛が切れて、炎症を起こし、かゆみ、脱毛が見られるようになります。
 
この病気の確定診断は皮膚の組織を採取して病理検査を行う必要がありますが、
今回のわんちゃんはまだ行っていません。


まずはかゆみ止めを使ったり、低刺激のシャンプーに変更したり、
シャンプーの頻度を減らしてもらうことで、
毛に対する刺激を少なくして、改善がみられるかどうか見ていきます。