チューブフィーディング
カテーテルなどの管を通して流動食を投与することをチューブフィーディングと言います。
当院では手術後に必要な時は咽頭瘻チューブを設置します。
口の手術をして術後しばらく食事ができない時や、術後に抗がん剤が必要で食欲不振が予測される時です。麻酔をかけない時は経鼻カテーテルを設置します。
入院中だけでなく退院後も自宅で流動食や薬の投与に使っていただいています。通院中のワンちゃんネコちゃんに鼻カテを入れることもあります。
そこで大切なことが3つあります。
1、誤嚥をさせないこと。
設置時に食道の奥に入っていることは病院で確認しますが嘔吐などによって先端が喉元に動いたり、折れ曲がって反対に向いてしまうことがあります。
誤嚥を防ぐには
① はじめに吸引をする。
食道に先端がある時は通常吸引できません。
スカスカ空気が抜けたら気管に入っているかもしれません。
② 2㏄くらい水をいれる。
気管に入っていたら咳き込みます。
水だけならば咳き込むだけで済みますが流動食などが入ると誤嚥性肺炎を起こしかねません。
正しい位置にチューブがあれば流動食や薬の投与をします。そこで次に大切なのが
2、チューブを詰まらせないこと。
薬は十分な量の水に溶かしましょう。
ですが始めは少量の水を垂らして練ってからの方がダマになりづらいです。
溶けない薬もバラバラ水に舞うようにしてください。
詰まったかなと思ったらシリンジを引いてください。
そして水の入ったシリンジに付け替え流してください。
小さいシリンジを使う方が詰まりかけでも手ごたえで分かりやすいです。
大きなシリンジだと気づいた時にはガッチリ詰まってしまっていることもあります。
溶けない薬を流動食に混ぜると固まっているのがが見えづらいので薬は薬だけで水に舞わせて投与してください。
詰まってしまうとカテーテルを入れ替えなければなりませんが病院で色々試して詰まりを取り除けることもあります。
まちがっても強引に押し込もうとしないで下さい。
後は
3、嘔吐をさせないこと。
少し温めて
ゆっくり、ゆっくり飲ませてください。
一度にたくさん飲ませすぎないでください。
通院で始める時は初日はもっと少ない量で、数日かけて増やしていきます。
入院中に始める時は病院で増やしておきます。

写真は鼻カテの入ったネコちゃんです。
獣医師 高橋