マダニ
2020.08.16
今回の症例は7歳のミニチュアシュナウザーです。
ダニがついているとのことでご来院されました。
確認してみると腰のあたりに1匹ついているのが確認できました。
先の細い鉗子を用いて除去を行いました。
マダニによる被害は吸血による貧血の他に様々な感染症を媒介する事が知られています。近年西日本を中心に人にも感染する感染症の報告も増加しており、注意が必要です。
今回の症例は予防薬を自宅で予防薬を付けていたにも関わらずマダニの被害のあった珍しい症例ですが、多くの犬や猫では予防薬を投与する事で被害を防ぐことが出来ます。
現在はノミダニの予防だけでなくフィラリアの予防なども同時に行えるお肉タイプの予防薬や、皮膚につけるスポットオンタイプなど様々なダニの予防薬が販売されています。病院でも様々なタイプの予防薬を取り扱っていますのでお気軽にご相談ください。
また、都市部ではマダニの発生は公園や庭など土と草木がある場所で多いと言われています。そのため予防薬の投与だけでなく、藪や草むらを歩かせることはなるべく避け、散歩の後にはマダニが付着していないか確認する事も大切です。
マダニは不用意に引き抜こうとすると顎体部が体内に残り炎症を起こしたり化膿したりすることがあります。また、付着したマダニが病原体を持ったマダニだった場合はマダニの胴体部を圧迫する事で病原体を犬や猫の体内に注入する事にもなりかねません。そのためマダニが付着しているのを見つけた場合は無理に取ろうとせずに病院にご来院していただくことをおすすめします。
獣医師 後藤