マラセチア性皮膚炎
2017.12.22
本日の症例は足先が痒いわんちゃんです。 セロハンテープを足先につけて細胞や、ばい菌を採取し、 特殊な染色液をつけて顕微鏡で見てみました。 紫色に染まり、小さく、丸く細長い、だるまのようなものがたくさん見られました。 これはマラセチアというカビの一種です。 マラセチアは健康なわんちゃん、ねこちゃんにも住み着いている常在菌ですが、 夏場のじめじめした環境下で増えたり、免疫機能不全や皮膚のバリア機能が落ちている場合に このようにたくさん見られることがあります。 症状は痒くなったり、赤くなったり、、毛が抜けたりします。 放っておくと、痒くて何度も掻くことで皮膚が黒ずんだりもします。 治療には抗真菌薬を使います。 口から飲む薬や、皮膚に塗る外用薬、そしてシャンプーを毎日行うなど、症状によって使い分けます。 皮膚の病気は、皮膚の病気を起こす基礎疾患、 例えばアトピーや食物アレルギーなどによるものが多いので、 治療をしても治らない場合は詳しい検査を必要とします。 今回のわんちゃんは、まず抗真菌薬を使って痒みを取り除いていく方針です。