ならしの動物医療センター

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report 症例報告

消化器型リンパ腫 犬

2021.07.28

本日の症例は、下痢や血便、食欲不振や元気消失の症状を呈したトイプードルの子です。

以前から、間欠的に消化器症状を発症しておりましたが、対症療法にて完治していたので、その都度治療を行っておりました。

今回は、消化器症状と一緒に食欲低下などの症状も出たため、精査を実施致しました。

血液検査で、リパーゼや炎症の数値が上昇しており、肝酵素の上昇ならびに黄疸を認めました。

以前に内視鏡検査や超音波検査を実施しておりましたが、その際には認められなかった肝臓の低エコー性の腫瘤性病変や小腸の一部におなじく腫瘤性病変を疑う所見を認めました。

対症療法で症状はやや改善しましたが、悪性腫瘍などの可能性も考慮し、飼い主様とご相談の上、精査を実施しました。

肝臓や小腸の腫瘤性病変に対するFNA検査では、診断がつかなかった為、小腸の腫瘤性病変の切除生検、肝臓に対してパンチ生検を実施しました。

  ←小腸の腫瘤性病変

  ←肝臓のパンチ生検

病理検査を実施したところ、小腸は消化器型リンパ腫、肝臓はリンパ腫の浸潤と診断されました。

現在、抗癌剤治療を開始しております。

獣医師 田中