ならしの動物医療センター

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report 症例報告

乳び胸

2017.12.21

乳び胸とは、腸からリンパ管へ吸収された脂肪を含んだ液体である乳び液が何らかの理由で
胸腔内に漏れ出て貯留した状態の事を言います。


原因には、胸壁の外傷や手術による胸管の損傷などによる外傷性のものや、
胸腔内に出来た腫瘍やフィラリア症、肺葉捻転などの非外傷性のもの、
乳びの漏出原因が不明の特発性のものに分けられます。


症状には、漏れだした乳びによって肺が圧迫されることで
呼吸が満足に行えず呼吸速拍や重度では呼吸困難になることもあります。


治療法については、低脂肪の食事に変更して乳びの量を減らす食事療法や
胸腔にチューブを刺し貯留している乳びを除去する等を行います。

これらの治療で改善しない場合には、開胸手術を行い胸管を結紮したり、
乳びの溜まる場所を無くすために胸膜癒着術を行う事もあります。