ならしの動物医療センター

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report 症例報告

乳歯遺残

2017.12.20

当院では日常的に去勢手術・避妊手術など、いわゆる不妊手術を行っていますが、
その際に多々見かけるのが乳歯遺残です。


本来、ワンちゃんは早ければ生後4~5ヶ月頃から乳歯が抜け始め、
1歳(平均7ヵ月齢)になる前までには乳歯がすべて抜け、永久歯に生え変わるのが一般的です。


ワンちゃん達は人間のように抜けた歯を敢えて吐きだすということは滅多にしない為、
ほとんどが飲み込んでしまいます。

時にはケージの隅やウンチの中から発見したり、
掃除機をかけてたらカチっと吸い込んで覗いてみたら歯がみつかったなんてこともあるかもしれません。


しかし、中には乳歯が頑固に居座ってしまい、
永久歯が横に生えているのにまだ抜けないという事もあります。


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この写真は居座っている乳歯と生え始めてきた永久歯です。

乳歯が残っていると、歯並びが悪く永久歯と乳歯が重なってしまい、
歯と歯の間に食餌のカスがたまりやすくなります。

食べカスがたまると歯石が付きやすくなり、歯肉炎を起こしてしまいます。
炎症がひどいと、痛みからご飯を食べなくなったり、歯槽膿漏になって歯が抜けてしまったり、
感染を起こして顎の骨や鼻にまで影響が起こることもあります。


「歯並びが悪い」・「歯が重なっている」などが見られましたら一度診察にいらしてください。