体表腫瘤(皮膚再建術)
2024.10.20
本日の症例は、以前から右後肢の中足骨部位に皮膚腫瘤を認め、徐々に大きくなってきたとの症例です。
大きくなってきてから、腫瘤部位を気にして舐めたりすることにより炎症や出血を繰り返しており、普段からエリザベスカラーを着用し生活している為、QOLの低下が認められておりました。
今回飼い主様とご相談の上、切除手術を行うことになりまずFNA検査を実施。
診断につながるような細胞は採取できず、炎症細胞、細菌を認めるのみでした。
飼い主様の希望、高齢などの観点から後肢の機能温存を優先し、皮膚腫瘤辺縁で切除し腫瘤摘出を行うことになりました。
←後肢の皮膚腫瘤
腫瘤辺縁部位で切除を実施し、できるだけ腫瘤は摘出。
摘出を行いましたが、かなり大きな皮膚欠損になってしまった為、今回は前進皮弁を用いて皮膚の再建をしました。
もし、皮弁のみで再建が難しければ減張切開などを加える予定でしたが、元々皮膚がかなり伸びるためどうにか皮弁のみで再建することができました。
術後8日目の写真です。現在も経過良好です。
獣医師 田中