ならしの動物医療センター

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report 症例報告

前十字靭帯断裂

2017.12.08

前十字靭帯断裂という病名はよくスポーツ選手のケガ等で耳にしますが、
わんちゃんの後肢の跛行(ぴょこぴょこ足をかばう様子)の主な原因の一つでもあります。

大型犬のみならず、小型〜中型犬にもよく見られます。
加齢とともに太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)をつなぎ安定化させる靭帯が変性し、
強度が弱ることである日突然ブチっと完全もしくは部分的に断裂する病気です。





断裂してしまうと痛みとともに体重をかけた時にすねの骨が必要以上に前方に動いてしまったり、
体重を支える事ができなくなります。運動機能が大きく障害されるため、適切な治療が必要です。

この症例は足を挙げて着いて歩く事が出来ないという事でレントゲンを撮影しました。







このような写真が撮れたので異常がないか精査します。



いくつか前十字靭帯断裂を疑う所見が認められた為、その他の病気がないかを除外し、
前十字靭帯断裂と診断しました。
痛み止めによる内科治療だけでは症状が抑えられなかった為、関節を糸で固定する手術を実施し、
現在は痛みやかばう様子もなく、経過良好です。
多くの場合併発する関節炎の対処のみ現在行っております。