子宮腫瘍
2022.12.24
今回の症例は14歳の雌のトイ・プードルです。
腹部が張っているとのことで、当院にご来院されました。
レントゲン検査および腹部超音波検査の結果、子宮に腫瘍を疑う所見が認められたため、避妊手術を実施し、採取した組織を検査センターに送付したところ、平滑筋種と診断されました。
今回診断された平滑筋種は、平滑筋という筋肉の細胞が腫瘍化したもので、良性腫瘍に分類されます。平滑筋は、血管や胃腸、膀胱、子宮などに分布しているため、平滑筋種は体の様々な部位で発生します。中でも、未避妊雌においては子宮での発生が多くみられ、子宮腫瘍の中で最も発生が多い腫瘍です。
子宮の平滑筋種は多くの場合偶発的に見つかることが多いですが、腫瘍が大きくなった場合は排尿困難や便秘、しぶり、食欲不振、嘔吐、腹部膨満、体重減少などが生じることもあります。
治療法としては、今回の症例のように避妊手術(子宮卵巣摘出術)が適応となります。良性腫瘍であるため、避妊手術が根治的治療となります。
山崎