ならしの動物医療センター

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report 症例報告

子宮蓄膿症

2017.12.20

ここのところ子宮蓄膿症で来院するわんちゃんが比較的多くみられます。
子宮蓄膿症とは発情後1-2か月くらいの時期に(免疫力が低下します)
細菌が子宮内に進入・増殖し膿がたまる病気です。

卵巣のホルモン分泌バランスが悪いとおきやすいとも言われています。
原因菌は多くは大腸菌群が多いですが、ブドウ球菌などもよく見られます。


症状
はじめは無症状ですが病態が悪化するにつれ元気、食欲減退、嘔吐、多飲多尿などがみられます。
陰部より膿がでてくる場合があります。
子宮が破れて、腹腔に細菌が漏れ出た場合、腹膜炎をおこし、短時間で死亡します。

診断
レントゲン、エコー等で拡張した子宮を確認し、血液検査で合併症などの状態を把握します。
腎不全や敗血症、DICなどの合併症も高率に発症します。

治療
手術で膿の溜まった子宮と、卵巣を取り出し、抗生物質を投与します。
通常は、手術が早い段階で行われればほとんど助かります。
合併症を発症している場合はその対処も必要となります。 IMG_1865 予防 避妊手術を受けていれば予防可能です。ただし、卵巣のみの摘出の場合は子宮蓄膿になることがあります。

子宮蓄膿はいかに早期発見、早期手術できるかが鍵です。 一般状態がいいうちに手術できれば入院も短期ですみますし、助かる可能性も高いです。 その為にも日頃からのチェックを心がけることが大切です。