ならしの動物医療センター

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report 症例報告

子宮蓄膿症

2020.08.28

本日の症例は食欲廃絶と陰部の出血が続いている高齢のメスのわんちゃんです。
避妊は行っておらず、生理の後から陰部から出血が持続し、その後体調が悪くなったとの事です。

血液検査ではCRPという炎症の数値が高く、血糖値もやや低め、血小板は低下し、SIRS(全身性炎症反応症候群)もしくはDIC
(播種性血管内凝固)を疑う危険な状態でした。

レントゲンやエコー検査では子宮が腫れて、内腔に液体が貯まっている所見が認められました。
以上の所見から子宮蓄膿症に続発してSIRS・DICを疑い、
このままでは命に関わる可能性が高いため、早急に子宮を外科的切除しました。

 

 

 

 

実際の子宮は腫れていて、一部壊死・破裂をしていました。
内部の液体を分析すると膿と細菌が大量に認められたので、子宮蓄膿症および至急破裂に伴う腹膜炎と最終診断しました。
術後から食欲元気は回復し、状態は安定してきています。