慢性腎臓病②
2021.01.30
今回の症例は、16歳8か月のネコです。
この症例も慢性腎臓病で通院をしています。
慢性腎臓病は慢性的な腎疾患の総称で、腎臓が3か月以上障害を受けているもしくは3か月以上腎臓のろ過機能が50%以下に低下している場合に慢性腎臓病と診断します。
慢性腎臓病は不可逆的な疾患で、治る疾患ではないため治療の目的は進行を遅らせることです。
進行を遅らせるには、慢性腎臓病の進行要因を抑制・除去することが重要です。
進行要因にはリン・カルシウム代謝異常、脱水や高血圧、蛋白尿、貧血、体重減少などがあげられます。
今回の症例では、脱水と高血圧がみとめられました。
脱水に対しては定期的に皮下点滴を行い、高血圧に対しては定期的な血圧の測定と降圧剤の投与を行っています。
現在この症例は、体調は良好で腎臓の数値の大きな悪化も認められていませんが、血圧の上昇が再び認められたため降圧剤を増量して血圧をコントロールしています。
獣医師 後藤