ならしの動物医療センター

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report 症例報告

慢性腎臓病③

2021.02.09

今回の症例は、16歳2か月のスコティッシュフォールドです。

この症例も慢性腎臓病で通院をしています。

慢性腎臓病は慢性的な腎疾患の総称で、腎臓が3か月以上障害を受けているもしくは3か月以上腎臓のろ過機能が50%以下に低下している場合に慢性腎臓病と診断します。

慢性腎臓病は不可逆的な疾患で、治る疾患ではないため治療の目的は進行を遅らせることです。

そのため慢性腎臓病の進行要因を抑制・除去することが重要です。

進行要因にはリン・カルシウム代謝異常、脱水や高血圧、蛋白尿、貧血、体重減少などがあげられます。

今回の症例では、脱水と嘔吐、貧血が認められました。

脱水に対して定期的な皮下点滴と吐き気に対して胃薬の投与をしています。

また、腎臓病では腎臓で産生している造血ホルモンが欠乏し、貧血が生じることがあります。この症例の貧血はその可能性が高かったため、注射で造血ホルモン製剤の投与を行いました。

 

 

 

 

 

現在体調は良好で貧血も改善しています。

獣医師 後藤