ならしの動物医療センター

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report 症例報告

歯原性嚢胞

2020.10.03

今回の症例は、8歳のヨークシャーテリアです。

トリミングで来院された際の身体検査で顔の腫れおよび左上顎犬歯の歯肉の腫脹が認められたため、CT検査とFNA(腫脹部に針を刺して細胞を採取する検査)を実施しました。

CT検査で左上顎犬歯に嚢胞と残存歯が認められ、FNAでは液体が採取されたため歯原性嚢胞と診断しました。

 

嚢胞とは液状内容物を含む病的嚢状構造物です。特に顎骨内に形成された顎嚢胞のうち歯の発育に関連したものは歯原性嚢胞と呼ばれます。

歯原性嚢胞に針を刺して液体を吸引しても再発を繰り返すため、治療は手術で嚢胞壁を全て摘出する必要があります。

また、今回の症例の様に残存歯がある場合その歯が嚢胞の原因となっているため抜歯も同時に行います。

 

犬歯の上に腫れが認められます

摘出した残存歯

 

 

 

 

 

 

手術後の経過は良好で、強い腫れ等はほとんどなく元気に退院されました。

 

獣医師 後藤