ならしの動物医療センター

ならしの動物医療センター

report 症例報告

歯周病 

2021.04.04

今回の症例は、13歳のミニチュアダックスフンドです

重度の歯石の付着があり、歯周病もあったため歯石の除去および抜歯を行いました。

 

歯周病があると口臭や食欲低下などの症状がでることがあります。

また、歯周病が重度になると口腔内と鼻腔内が連続する口鼻腔瘻がおこり、くしゃみや鼻水などの症状が出ることも多くあります。

 

当院では歯石の除去は麻酔下で行います。

動物の痛みや恐怖、苦痛のない状況で完全な歯科処置を行うには麻酔下での処置が必要不可欠となります。

無麻酔での歯科処置の危険性はコチラをご参照ください

https://www.sadsj.jp/

 

まず麻酔前の検査を行い、麻酔のリスクを確認してから麻酔をかけます。

超音波スケーラーを用いて歯石の除去や歯周ポケットの歯垢の除去を行ったあと、抜歯が必要な歯は抜歯を行います。歯を抜いた後の穴が大きい場合はフラップ処置を行い穴を塞ぎます。

歯石除去をおこなった歯の表面はザラザラしていて歯垢が付きやすい状態になっているため、研磨剤を用いて表面をつるつるにしていきます。この研磨剤は2種類の物を用いて、粒の荒い研磨剤で磨いたあと粒の細かい研磨剤で磨くことで表面が滑らかな仕上がりになります。

最後に歯の表面や歯周ポケットのを十分に洗浄して終了です。

 

左側 歯石除去前
重度に歯石が付着しています。

右側 歯石除去後

 

 

 

 

 

 

最近では年に1回の歯科処置で死亡率が20%低下するという報告もあります。

基礎疾患の有無や麻酔後の状態にもよりますが、基本的には歯科処置は日帰りまたは1泊で実施することができますので歯石が気になるようになってきた…という場合はお気軽にご相談ください。

 

獣医師 後藤