ならしの動物医療センター

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report 症例報告

気管虚脱

2017.12.20

本日は気管虚脱についてです。
 犬にもヒト同様、鼻と口から喉を通して肺へ空気と酸素を吸い込み、
二酸化炭素を排出する為の空気の通り道「気管」が存在します。

この気管はC字型の気管軟骨でできた輪っかに輪状靭帯が連結した洗濯機のホースのような形をしています。

気管虚脱とはこの気管が押しつぶされた様な形に潰れて、
呼吸困難や咳や喘鳴(呼吸がゼーゼーする状態) を生じる病気です。

気管虚脱2

小型犬に多く 遺伝的要因が多いですが、肥満や炎症なども悪化因子になります。
無症状であれば積極的な治療は行わないことも多いですが、咳や呼吸の異常、
アヒルの鳴き声の様な呼吸をしだした場合、気管支拡張薬などを使用します。

さらに重度で窒息したる失神したりしてします場合は
潰れた気管を支える金属を入れる手術をしたりします。

診断は以下のようにレントゲンで呼吸で気管が虚脱する様子を確認します。


 正常気管

上:正常な気管 下;虚脱し内腔が狭まった気管

 気管虚脱

上の写真まで潰れてしまうとほとんどの場合、症状を認め何らかの対処が必要になります。