ならしの動物医療センター

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report 症例報告

活性化リンパ球療法

2017.12.20

本日は活性化リンパ球療法を行いました。
細胞培養や細胞洗浄など時間のかかる手技が入るため休診日である木曜日に行っております。

活性化リンパ球療法とは…採血・分離した自己のリンパ球
(腫瘍などをたたく免疫をつかさどる細胞)を培養・活性化し、2週間後自分へ戻し、
戻ってきた活性化リンパ球により腫瘍を攻撃するという自己免疫療法です。

動物には本来、病気やけがに対して自分で治そうとする免疫力(白血球のリンパ球)が備わっており
日常的に体内に出来たがん細胞や体の中に侵入した細菌やウィルスを攻撃して健康を保っています。

細胞免疫療法は、この免疫力を利用したり、強めたりすることで、がんの発症や進行を抑える治療法です。

がんの治療法には①外科手術、②化学療法(抗ガン剤)、③放射線療法の三大療法が
今までの主流を占めてきました。

これに次ぐ第4の治療法として、がんの再発を予防し、副作用の苦痛を伴わないで
普通の生活が送れるような生活の質(QOL、Quality of Life)の改善を高める治療法として、
世界中で研究され臨床的な効果が得られる治療法になりました。

  • 特徴
    
    本来は血液に含まれているリンパ球を体外で培養し(およそ1000倍に増やします)、
    それを再び体内に戻してあげることでがん細胞を攻撃させる療法です。
  • メリット
    
    小さなガンや全身に広まったガンに対する治癒効果、切除後のガンの再発予防、
    副作用がほとんどない、QOL(生活の質)の向上が期待されます。
  • デメリット
    
    大きな腫瘍を小さくすることはできません。投与回数にもよりますが費用が高額になります。
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無菌化で細胞培養を行っている様子。