猫の膵炎
2021.11.02
膵炎には急性膵炎と慢性膵炎があり
急性膵炎は重症化すると命に係わることがあります。 慢性膵炎は三臓器炎(膵炎・腸炎・胆管肝炎)や糖尿病などの 原因になることがあります。 膵炎の症状は嘔吐、下痢、腹痛などですが それらは他の病気でも起きます。 また検査も単独の検査で膵炎を診断できる決定的なものはありません。 近年、膵特異的リパーゼという検査が開発され かなり高感度で膵炎を検出できるようになりました。 膵特異的リパーゼは検査センターでなくては測定出来ないのですが 犬の膵特異的リパーゼは院内の検査機器で測定する リパーゼと強い相関性が報告されており 病院内で信頼性の高い検査がその場で可能でした。 猫は院内の機器では検査できず 検査センターに血液を送り結果を待たねばなりませんでした。 この2月から猫の膵特異的リパーゼを院内で検査するキットが発売になり 犬同様に即時検査が可能になりました。 今回検査したネコちゃんは正常と判定されました。 但し感度100%ではないので 他の検査結果と合わせて総合的な診断が必要です。 また高値と判定された時には 膵炎だけに捕らわれず合併症にも注意が必要となります。 獣医師 古田