ならしの動物医療センター

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report 症例報告

異所性睫毛

2019.09.12

今回の症例は、若齢のパグちゃんで、眼がショボショボするとの主訴でご来院されました。

確認してみると、軽度の眼瞼痙攣、結膜充血が認められ、角膜の10時~11時の方向で、軽度の浮腫を起こしておりました。

眼科検査をさせて頂いたところ、眼圧検査は異常なく、緑内障は認められません。

フルオレセイン染色といって、角膜の傷を確認する検査で、浮腫を起こしていたところに、表在性の角膜潰瘍を認めました。

なぜ、ここに角膜潰瘍が起きたのか、原因を探しました。

よく見てみると、上眼瞼の結膜に異所性睫毛を確認しました。

 

 

 

 

 

 

傷があるところと、睫毛が一致したため、今回はまず、睫毛抜去を行いました。

その後、傷は目薬の治療で改善し、今の所、再発は認められません。

この異所性睫毛は、若齢の子で認められることが多く、太い睫毛の場合、今回のような傷がつくことがあります。

もし、この睫毛が原因で角膜潰瘍を起こした場合、この睫毛を除去しなければなりません。

抜去したり、それでもだめなら外科的に睫毛ごと切除しなければならないこともあります。

 

獣医師 田中