ならしの動物医療センター

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report 症例報告

皮下膿瘍

2020.08.21

今回の症例は、来院前日の夜中に、首の所から出血しているという事で来院された症例です。

食欲も低下し、元気もなく、体温も上昇しているとの事です。

肉眼所見では、頸部に自潰を確認し、排膿および出血を認めました。

自潰している周囲の皮膚は肥厚し、腫脹している皮膚を広範囲に認めました。

検査を行うと、膿からは多数の細菌を確認し、消毒、洗浄を実施しております。

原因は外傷や咬傷、何かしらの細菌感染が皮下でおこり、自潰した可能性を考えました。

もしこれが、蛇や厄介な動物による咬傷の場合は、今後状態が悪くなる可能性も考えました。

もしくは、自潰した部位に腫瘍などが隠れており、腫瘍から今回の症状を発症した可能性などを考えました。

血液検査では、炎症のマーカーが高値を示している以外は異常なく、レントゲン検査でも特異的所見は認めませんでした。

まずは、抗生剤や炎症止めの内服での治療を開始し、数日後の写真です。


 

 

 

 

まだ、皮膚は裂開しておりますが、経過は今のところ悪くはないです。

引き続き経過観察し、腫瘍の可能性も考えられるなら、追加検査も検討しております。

 

獣医師 田中