皮膚組織球腫
2017.12.22
本日の症例は、のどに腫瘤が認められたワンちゃんです。 他院にて、細胞診を行ったところ細胞が取れなかったということで、当院に来院されました。 見た目は皮膚組織球腫のようでした。 皮膚組織球腫は若い犬に多く見られます。外見はラズベリー様で赤みを帯びていて隆起が認められます。 頭部、四肢、耳介に分布する傾向があります。類症鑑別は反応性組織球症、 肥満細胞腫、皮膚リンパ腫、肉芽腫症などがあげられます。 今回、細胞をFNAで採取できました。 顕微鏡では大小さまざまな独立円形細胞が認められました。 組織球腫が疑われましたが、リンパ腫などとの鑑別が重要であるため、専門医に細胞診を依頼しました。 結果は「皮膚組織球腫が疑われる」とされました。 一般に組織球腫は3カ月ほどで自然消退することが多いため、 2~4週ごとに再診をしていただき変化を観察します。 消退傾向がない場合は、外科的切除を行うこともあります。 今回は、異形成が軽度に認められるため、より注意して経過観察することとなりました。