耳輪皮膚症
2020.06.16
今回の症例は、耳輪皮膚症の2歳のミニチュアダックスフンドです。
耳の縁にべたつきのとフケのようなものが付いていることが続き、拭きとっていたところ脱毛がみられ皮膚科の専門診療にご来院され、耳輪皮膚症と診断されました。
耳輪皮膚症は原因不明の耳に限局した脂漏症で、耳の垂れた犬に多い病気です。特にダックスフンドでの発症が多いといわれています。
この病気では、耳の外側および内側の辺縁に沿ってべたつきのある付着物質とカサカサとしたフケのようなものが付着しますが、痒みや痛みは伴いません。しかし重度になると耳の辺縁が壊死してしまう事もあります。
今回の症例も痛みや痒みはなく、犬自身は気にしている様子も見られませんでした。幸い飼い主さんが気が付いてご来院されたのが早かったため耳の壊死などは起きていませんでした。
そのため耳輪皮膚症の治療法である、クレンジングでの付着物質の除去と有効成分を含む薬用シャンプーでの洗浄および血行障害による炎症を抑える効果と保湿効果のあるクリームの塗布を行ってもらって2カ月後の再診に来てもらうことになりました。
獣医師 後藤